においを感じる仕組み
人間の鼻の奥には、嗅上皮といわれる部分があります。ここにある『嗅神経細胞』は外部から入ってきた化学物質を読み取り、電気信号にして脳内に伝達します。脳はこの信号を受け取ると、それを特定の「におい」として認識します。
嗅覚障害について
気導性嗅覚障害
嗅上皮までの通りを妨げるものがあり、においを感じにくくなる(慢性副鼻腔炎、アレルギー性鼻炎など)。
中枢性嗅覚障害
頭蓋内の嗅覚経路の異常によりにおいを感じにくくなる(アルツハイマー、パーキンソン病、頭部外傷など)。
嗅神経性嗅覚障害
嗅神経細胞が傷害を受けてにおいが感じにくくなる(感冒後やコロナウイルス、インフルエンザなど)。
加齢性の嗅覚低下
60歳以上になると嗅覚が徐々に低下してくることが知られています。
嗅覚トレーニング(嗅覚刺激療法)について
ドイツの Thomas Hummel 教授が報告した治療法で4種類のにおいを1日2回、朝と夜に15秒ずつ嗅ぐことで、嗅覚障害に有効であると言われています。
毎日の日常生活の中で、意識してにおいを嗅ぐことで、においと記憶を繋げていくことができる可能性があります。様々なにおいを、そのにおいのイメージをしながら、鼻の奥の方に吸い上げるようにして嗅いでみてください。
